究極の選択

昨日夕食のあと、我が家のこたつで彼とごろごろしていたら「正月に彼の実家に来ないか」と誘われた。

彼の母と祖母とは一度会っているのでそこまで抵抗はない。

いつも野菜をおすそ分けしてもらっているのでむしろお礼にうかがわなければならないくらいだ。

 

彼はいつもいらない情報をよく与えてくるのだが、この時もそうだった。

 

「弟がはる(私)のこと言ってたよ」

 

彼の弟には会ったことがない。

何を言われたのか想像がつかなかったので聞いてみた。

 

「あー、でもやっぱり言わないでおくよ。

 あまりいいことじゃないからさ。」

 

じゃあなぜ言ったのだ。

なにか言っていたという情報さえ与えられなければ何も知らずにいられたのに

その情報を聞いてしまうと、なにを言われていたのか気になって仕方がない。

「聞かない方がいい」「忘れて」という彼にしつこく聞くと、

私の写真を見た弟が「兄貴の彼女、あんまり可愛くないね」と鼻で笑ったというのだ。

なんだ。そんなことか。

もう26年もこの顔と付き合ってきているのだからそんなことは十分に知っている。

 

ショックを受けなかった私の反応がつまらなかったのか、その話はそこで終わった。

 

 

寝る準備をして布団でごろごろしていると、また彼が言い出した。

 

「はるが男だったとしてさ、めちゃくちゃ性格が良いけど可愛くない子と

 見た目は自分好みで完璧だけどめちゃくちゃ性格の悪い子だったらどっちを選ぶ?」

 

結婚するなら性格の良い子。若いころに連れて歩いて楽しむだけなら見た目かわいい子。年を取れば外見は老化するし、性格の悪い子と一緒に生活はできないかなあ。

そう答えると、「確かに。」と笑った。

 

「結婚するなら性格悪い子とは無理だよね」

 

だよね。と同意しつつも私の頭にはひとつの疑問が浮かんだ。

 

私は見た目も可愛くなければ性格もめちゃくちゃいいとは言えない。

こんな質問をするのは私との将来を考えているからだろうか。

それともただの戯言なのだろうか。